
2005年国際武道大学公開講座
体験武道教室(楽しい弓道教室)
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■ 弓道は老若男女を問わず行える武道です。また礼法を重んじ、技の錬磨を通して精神
修養の道としても行われています。しかし本講座では、堅苦しいことは抜きにして、基本
となる弓矢の操作方法・発射方法を体験します。目標物(的)に向かって矢を飛ばし、目
標物 (的)に命中した時の爽快感を体験していただきたいと思います。
講師 松尾牧則(国際武道大学助教授) 学生補助員4名
日程 2005年9月5日(月)・6日(火)・8日(木)・9日(金)
時間 9:30〜11:30
会場 日本武道館勝浦研修センター弓道場
対象者 年齢不問(初めての方、昨年度受講の方、経験者)
費用 1,000円(4回分、保険料を含む)
定員 30名
用意 運動のできる服装
申込 国際武道大学総務課公開講座担当 (※終了しました。)
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11名の参加を得まして、上記の講座を終了しました。台風の接近で心配された天候も何
とかもってくれて(逆に暑すぎる日もありました)、無事終了できました。
今回の講座の様子は、補助員として手伝ってくれた、松本嬢の実施記録(日誌)を本人の
許可を得て掲載し、報告いたします。
■写真:講座の様子
2005公開講座 実施記録(松本美津希の日誌より)
9月5日(月) 弓道教室第1日目 曇りのち雨 受講者8名
《内容》
・あいさつ
・弓具に関する説明、巻藁実演と説明
・準備運動(補助員)
・受講者実技(弓選び、素引き)
・休憩
・実技(手の内についての説明→実践)
・的前へ(5m位の近距離からアーチェリー的に向かって引いてみる)
・あいさつ、終了
★受講者は年輩の方、中年の方々で、弓

道経験者も3名ほどいました。
☆講座開始前、道場で珍しそうに見て回る人、隅のほうで少し緊張した様子で立っている人など、様子は様々でしたが、講義が始まると皆さんがとても真剣に聞いていたので、弓道に対する興味がとても強く感じられました。8〜10kgくらいの弱い弓でも、初めは引くには強いようで、何回も引くうちに「結構きついんだなあ」「大変ね」という声も耳にしましたが、弓を実際に引いている時の皆さんはとても楽しそうでした。
休憩時間になると周りの人達との会話が盛んになって、受講者も補助員も一緒になって楽しくおしゃべりをしました。
私はご夫婦で参加された奥さんと話をしていたのですが、「弓道教室が年に1回くらいしかないから残念」と言っていました。受講日数が短くても頻度が増えれば、もう少し本格的に引けるようになるのかなあ、などと、それを聞いて思いました。
休憩の後は、手の内の整え方、的のねらいのつけ方を新しく覚え、素引きをしてから的前へ行きました。手の内ばかり意識が行ってしまうと、肩がつまったり、体がねじれてしまうし、引くことに一生懸命になると手の内の事を忘れてしまうし、どこから直していけばいいものか少し戸惑いました。特に弓道経験がある方は、基本的な事を覚えているので、自分の感覚というか、スタイルを持っていて、私はどこまで指導すればよいのか分からず、あまり何も言えませんでした。
的前へ行くと、いよいよ矢を使って引いてみるということで、ワクワクしているような、でも少し不安そうな雰囲気でしたが、やってみたらみんな夢中で的を狙っているようでした。的に夢中になるあまり、手の内や弓手のひねりは忘れられがちでしたが、矢がはずれて(的に中らなくても)も、それができていないためだという理由が理解してもらえたので、実践は大切だと感じました。台風の影響で天候があまり良くなく、終える頃には雨も降り出してしまいましたが、残り3日も何とか持ちこたえてほしいです。あっという間の1日目でした。
☆1日目を終えて
初参加の弓道教室でしたが、無事初日を終えることができました。受講者も補助員も皆、雰囲気が良く、年齢が離れていても楽しく会話ができ安心しました。私も8月から弓を再開したばかりで、人を指導できるほど自分はできていないし、知らないことがありすぎて大丈夫なんだろうかと不安でいっぱいでしたが、初心者の方をみていたら、弓道を始めた頃の自分と重なる所がいくつもあって、どう表現したら相手に分かってもらえるかとか、どこを直したらもっと良くなるかを考えて、できる限り伝えました。今日のような良い雰囲気のまま、さらにみなさんと仲良くなって、楽しい弓道教室にしたいです。
9月6日(火) 弓道教室第2日目 雨のち晴れ 受講者10名
★受講生に女性2名が加わりました。
★ドイツ人弓道家のクラウスさん夫妻もいらっしゃいました。
《内容》
・あいさつ
・準備運動、射法の確認(復習)
・的前(1日目と同じ距離から。親指だけかけをつけ、正しい取り懸けを覚える)
・休憩
・的前(7mくらい離れた距離から。入退場の作法と射法の確認。)
・休憩&自主練習
・的前(補助員によるねらいの位置確認)
・あいさつ、終了
☆きょうは昨日と同じメンバーに新しく2名の女性

受講者が加わって、いっそうにぎやかになりました。昨日弓を引いて筋肉痛になったという人もいて、疲れてる人が多いかと思いましたが、昨日よりも大きく引き分けられるようになっている人がほとんどでした。はじめは少し雨も降りましたが、後半は晴れて日差しが強まり暑いくらいでした。今日は最初から全員的前へ出て昨日と同じ5mくらいの距離からスタートしましたが、今回は親指だけにかけをつけ、妻手の取り懸けも練習しました。弦の握り方が変わったので、はじめは少し混乱気味な様子で、筈をはさみこむように取り懸けてしまう間違いが多発しました。それと、矢を番える時も弓を膝頭に置いていたり、取り懸けの時に弓が膝から離れていたりと、その辺りがあいまいになってしまっているようでした。親指のかけには「違和感を感じる」「感覚が全然違う」という感想がありました。
☆昨日も的前で少し弓を引いたので、『的に向かって矢を発射する』ことにはずいぶん慣れてきたようでしたが、やはり的を前にすると真ん中にあてようとしてしまい、的の方へ意識が集中してしまっているので、手の内や弓手のひねりなどが忘れられがちなってしまいました。皆さんは全体的に、昨日やった弓を引く一連の動作と体のねじれ、中心線、手の内の整え方などの注意点があいまいになってしまったかな?と感じました。的前へ行く前に射法の復習をしましたが、いざ的前で引く時になると新しく習ったことでいっぱいいっぱいな様子なので、ひとつひとつの動作を確認しながら引いてもらうように心がけました。私が言葉で動作を言ったり、注意点を言うと「あっ!そうだった」「忘れてた!」という反応がたくさん返ってきたので、次ぎに引く時に気を付けて引いてもらったら、矢がまっすぐ飛ぶようになったり、引き方がきれいになったりして、私もうれしくなりました。
☆休憩時間には、おしゃべりをしたり、自主練習で動作の確認を一緒にしたりしました。新しいことを教わると、早く覚えようと皆さんが一生懸命なので、暑さも忘れて私も一生懸命、早く覚えられるようにいろんな質問に答えたりしていました。
☆休憩が終わると、矢を番える時の羽根の位置を新しく覚え、弓を引く動作の確認をして、的から7mくらい離れた所へと立ち位置をかえて引いてもらいました。今までより長い距離になったので、皆さんは一段と気合いが入ったようで、後半も意欲的に弓を引いていました。でも気を付けないと的中への意識が高まってしまうので、より注意深くチェックするようにしていました。まだ、手の内が完全なグーになっていたり、引き分けがほっぺたまで行かなかったり、会を急ぐあまり動作が流れ作業化している場合があって、基本の確認と復習をこまめにやらなければと思いました。弓道経験のある方は、2日目とは思えない程大きく引き分けられるようになっていて驚きました。さすがにのみこみが早く、動作も整っているように見えました。今日は暑かったので、弓よりも暑さに体力を奪われていたかな?と思います。
☆矢を番える位置の関係で弓手を羽根でこすってしまう方がいました。中仕掛けに筈がはまりやすい場所を選んで番えてしまったようです。ONDさんの発案で目印を弦につけました。『年輩の方が多いのではっきり大きめに』という気配りには感心の一言です。
9月8日(木) 弓道教室第3日目 快晴 受講生10名(1名欠席、1名増加)
★受講生が1名増えました。
《内容》
・あいさつ
・準備運動
・的前(2日目と同じ距離7mから弓を引く)
・休憩(天候が良すぎるので早めに・・・)
・講義(射形ひとつひとつの解説、プリント配付)
・的前(少し距離をのばしてみる。←矢道の中央あたり)
・休憩&自主練習
・的前(補助員によるねらいの位置確認)
・あいさつ、終了
☆今日はカンカン照りで大変な暑さでした。1日休みがあったので、疲れもなくスタートすることができていたように思います。1日あいたので忘れてしまっているところはないか気がかりだったのですが、皆さんはきちんと覚えていて、素引きをする姿も前回より様になっていました。今日から参加した女性の方は、初めて引く弓の強さにとても驚いていました。担当を任せて頂き、指導にあたったのですが、周りの方が3日目の受講でだいぶ慣れているので、今日1日でのそくらいまで進めればよいのだろうと考えているうちに、一気に教えてしまい、少しペースが早すぎたかかな?と気になっていましたが、飲み込みの早い方で、的前でもたくさん引けたのでよかったと思います。松尾先生や周りの補助員にフォローをしていただきましたが、後半、弓手にあざを作ってしまい、はじめにもっとしっかり弓手のねじりを伝えておくべきだったと反省しました。ずっと付きっきりというわけにはいきませんでしたが、明日もできるかぎり指導にあたれればと思います。受講生の皆さんが前回よりも確実に上達しているのが分かるくらい射形が整ってきていて、個人差はあるけれど、3日でこれ程までに変わるんだ!と本当にびっくりしました。弓道経験のある方はもちろん、そうでない方も大きく引き分けられるようになったし、肩がつまったり、体がねじれたりすることが少なくなり、矢を番えたりする動作も正確にできるようになっていて『こんなにはやく上達できるなんて、明日はどこまでできるようになるだろう』と、先が楽しみになりました。
☆的前での稽古をするには、とにかく暑

すぎる程天気が良かったので休憩を早めにとり、水分補給もしてもらいました。受講生同士もだいぶ打ちとけてきた様子で、ごく自然に会話が交わされていたし、最初は弓を引くことを覚えることで精一杯だったけれど、だんだんできるようになってきたら、より積極的に質問がくるようになって、1人1人の意識が受け身だけではなくなってきたと感じました。もともと弓道に興味を持って参加された方々だけれど、実際にやってみてさらに興味が増しているのだと思います。
☆後半はプリントを見ながら、射法八節の解説がありました。プリントの図を見ながら、皆さんは真剣に講義を聞いていて、この講義で今までやってきたことを確認したり、覚え直すように“うんうん”とうなずく姿が見られました。また、射法の流れもつかみ直せたようで、後半は特に射形の良くなった方、各動作が正確にできている方が増えました。後半は少し距離がのびたので、力んでしまう傾向もあったかと思いますが、打起しから引き分けまでの間、矢を地面と平行に保てるようになったり、「大の字」の離れができるようになったり、弓手のひねりが意識を忘れずできるようになってきました。
距離がのびてから、矢こぼれが目立ってきましたが、松尾先生の解説&裏ワザ伝授の効果で解決したようです。特に裏ワザは大ウケで、矢こぼれしない方もちょっと試してみたそうでした。初めて見る方には驚きとおもしろさがあるのだなあと新しい発見をしました。
☆今日習った胸弦と頬付けは、女性の方がまだできていない方が多いように思いますが、明日で最終日なので、できる限り多くのことができるようになって修了してほしいです。1日目、2日目に比べて持続力もついてきたようなので、できる限りたくさん、一射一射をていねいに引いてもらえたらと思っています。全体の雰囲気もだんだん和気あいあいとしてきて、明るいので明日も楽しく弓を引いてもらえるように私も楽しみながらやりたいと思います。
☆前回弦につけた番える位置マークの効果か、羽根で親指のつけ根をこすってしまう傷害が少なくなりました。
9月9日(金) 弓道教室第4日目(最終日) 曇り 受講生10名(1名欠席)
★ついに最終日を迎えました。最後の余興では全員で弓を引き、楽しく無事に終えることができました。
《内容》
・あいさつ
・準備運動
・射法の復習
・的前(3日目と同じ矢道の中央あたりから引く)
・休憩
・的前(アーチェリー的の赤・黄色(より中央)を狙ってみる)
・総仕上げ(指導なしで一手引く。入場から一斉に始める)
・風船で的あてゲーム
・修了式
・あいさつ、終了
・アンケート調査
・弓道会の案内
☆最終日の今日はくもりで、過ごしやすい日となりました。3日目と同様に射法を復習してから的前へ行き、矢道の中央あたりからの距離から弓を引きはじめました。皆さんはそれぞれ自分自身の注意点に気をつけながら1射1射大きく引いていたと思います。個人のくせやつい忘れてしまいがちな点は、3日目より今日の方がよりはっきりしてきて、1人1人の個性がとてもよく出ていました。3日目で一気に上達した印象が強かったのですが、それと同時にその人特有の問題点も出てきたようです。まだ肩がつまってしまう方もいましたが、昨日までに全体的に良くなっていた射法の流れや手の内、弓手のひねり、矢を平行に保ちながら引き分ける、などの点はきちんと今日も意識できているようだったので、ほお付けや胸弦にも意識を向けてもらうように指導しました。弓にも、矢を発射することにもかなり慣れ、少し余裕がでてきた様子にも感じられましたが、髪をはらったり、矢が的にあたらなくなってしまったりと、新たな問題点が出てきて「昨日は(今まで)は大丈夫だったのに〜」と悩む姿も見られました。原因を説明しても、それを相手に正確に理解してもらえる言葉を選んだり、弓道用語を言いかえたりしないと伝わらないので難しかったです。今日の射があまりうまくゆかないことで弓道が嫌いになってしまわないだろうかとちょっと不安になり、私も必死で問題解決につとめました。昨日までの3日間があったので、受講者の方々は“どこが悪くてそういう結果になったのか”という解決方法がだんだん覚えられてきたようで、私から指摘する前に「今のはここができていなかったわよね」と受講者自身から言われることが何度もありました。
☆休憩時間になると、射場の軒下に腰かけて、とても和やかなムードで皆さんがおしゃべりをしていて、4日間だけだけれど(人によっては2・3日間)弓道がきっかけで交流ができるっていいなあ、と感じました。前半、指導にあたっていた方が使用していた中仕掛けが少し細く、ほつれていたので修理しておいたらとても喜んでもらえたので私もうれしくなりました。
☆後半は少し的の中央を狙うことになりましたが、皆さんはあまり的に執着せず、むしろ射形に重点を置いて、指摘された注意点に気をつけながら引いている方が多かったと思います。はじめは的の方にばかり意識が行ってしまいがちだったのに、4日でこんなにも意識が変化するのだなあと驚かされました。矢が的にあたらず後ろに飛んでしまう方がいて、「言われた通りやっているけど、うまくいかないのよね」と半ばあきらめムードでしたが、あきらめず離れの練習をしたらちゃんと的にあたるようになり、「あなたのおかげよ」と笑顔で言ってくださった時は、補助員をやっていてよかったなあと一番強く実感しました。
☆最後に、5人づつ揃って入り、指導なしではじめから最後まで1手引きました。総仕上げということで、力んだり、注意されたことを忘れてしまった方もいたようですが、4日目とは思えない程、様になっていたし、皆中者も出て、拍手がおくられました。
☆余興の風船的あてゲームは、クラウスさん夫妻も私達学生も全員参加して、年齢も経験も国籍も関係なく、大盛り上がりでした。
最後に修了証の授与式をして終了しました。お別れの時の皆さんの顔がみんな笑顔だったのでホッとすると同時に、とても良い経験ができたと充実した気持ちでいっぱいになりました。
(以上、補助員:松本美津希 報)
(写真提供:国際武道大学国際室&松尾牧則)
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ご参加いただいた方、どうもありがとうございました。来年の実施については未定ですが、
機会がありましたら是非またご参加下さい。
(2005.9.20 松尾牧則)
(2005年度公開講座、以上。)
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